花粉症は、花粉に対するアレルギーによって起こる病気ですので、根本の原因は、アレルギーを起こしやすい体質にあります。
花粉症と縁を切るには、このアレルギー体質を変えなければなりません。
そこで、体に免疫を作ることで、アレルギー反応を起こりにくくし体質改善を図ろうとする治療法が、「減感作療法(げんかんさりょうほう)」です。
減感作療法は、免疫療法のひとつです。
花粉症であれば、その原因となっている花粉のエキスを少しずつ体に注射していくことで、花粉に対する免疫を作っていきます。
減感作療法は、アレルギー疾患の治療法として100年近くの歴史があるもので、最も根本的な治療法といわれています。
しかし、減感作療法にも欠点があります。
それは、減感作療法の治療効果が現れるまでに、相当の時間を要することです。
花粉症の場合、確実な効果が現れるまでには、通常3年くらいの時間が必要といわれています。
なかには、5年、6年と続けている人もいます。
ちなみに、同じ減感作療法でも、ハウスダストの中のチリダニアレルギーであれば、6か月くらいから効果が出るといいます。
また、スギ花粉症の場合、減感作療法の有効率は60%程度といわれています。
このようなことから、花粉症の程度が軽い人には、医療機関でも減感作療法をあまり勧めなくなっているのが現状のようです。