日本において最初の花粉症患者が発見されたのは、1961年に遡ります。
アメリカからの帰化植物であるブタクサによる花粉症が、初めて報告されています。
それまで、日本には花粉症患者はいないと考えられていました。
スギ花粉症患者が増えた最大の理由は、やはりスギの花粉量が急増したためです。
飛散するスギ花粉の量を毎年調べたデータによると、1975年に入ってから急激にスギ花粉の量が増加しています。
特に、1976年、1979年、1982年に、スギ花粉の大量発生があり、スギ花粉症の患者も急激に増加しています。
1975年頃からスギ花粉が急激に増えた原因は、1945年頃から始まった全国の山林でのスギの植林にあります。
これは、戦中に多くの木が伐採され山林が荒廃したため、戦後復興事業として、生長の早いスギの木が全国の山林で植林されるようになったからです。
スギは、樹齢30年になる頃から、大量の花粉を飛散します。
そのため、ちょうどスギの植林から30年経過した1975年頃になって、スギ花粉の量が急増し始めたというわけです。
また、近年は、木材の輸入が増え、国内の林業が不振を極め、伐採されるべきスギの木が放置されているのが現状で、これもスギ花粉を増やすもう一つの大きな原因となっています。